たなか成長クリニックは、低身長を中心とした小児内分泌疾患を扱う専門性の高いクリニックです。

ご予約・お問い合わせ03-3708-3939

たなか成長クリニックは、低身長を中心とした小児内分泌疾患を扱う専門性の高いクリニックです。

ご予約・お問い合わせ03-3708-3939

思春期

top-p7.png top-p4.png top-p6.png top-p5.png top-p2_20220422201251121.png

HOME | 思春期 | 思春期の性成熟と成長

一寸法師
思春期の性成熟と成長

思春期は、子どもから大人へと移行していく途中の大切な時期です。


 
さまざまな発達段階を経て、体全体が少しずつ成人の状態へと成熟していきます。
 
この変化は、体の中の神経やホルモンの働きによってコントロールされています。
 
最終的には、脳の下垂体から分泌される「ゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)」と、精巣や卵巣から分泌される「性ステロイドホルモン」が増えることで、二次性徴(体つきの変化や性の成熟)が起こります。
 
なお、思春期が始まるきっかけについては、まだ完全には解明されていませんが、栄養状態や、脂肪細胞から分泌される「レプチン」などが関係していると考えられています。

思春期

思春期とは?

思春期とは、子どもの体と心が大人へと変化していく時期のことです。
医学的には、主にホルモンの働きによって「第二次性徴」が現れる期間を指します。

 

思春期の基本

開始:一般的に
 女子813歳頃
 男子914歳頃
終了18歳前後まで続くことが多い。
※個人差が大きいのが特徴です。

 

体の変化(身体的変化)

ホルモンの影響で以下のような変化が起こります。

女子

  • 乳房の発育
  • 初経(生理)が始まる
  • 身長が急激に伸びる(成長スパート)

男子

  • 精巣・陰茎の発育
  • 声変わり
  • 筋肉の発達
  • 身長が急激に伸びる

 

■ 心の変化(心理的変化)

  • 自立心が芽生える
  • 親から離れようとする
  • 感情の起伏が激しくなる
  • 自分の体や他人との違いを意識する

 

■ 医学的なポイント(重要)

思春期は、脳の「視床下部」「下垂体」「性腺」に至るホルモンの連携HPG軸)が活性化することで始まります。

  • 女子:エストロゲン(E2
  • 男子:テストステロン

これらが体の成長や性成熟を引き起こします。

 

■ 注意すべきケース(外来で重要)

整形・小児内分泌的には以下が重要です:

  • 思春期早発症(早すぎる)
  • 思春期遅発症(遅すぎる)

成長スパートが来ない(低身長の原因になる)

 

■ 一言でいうと

「体・心・ホルモンが一気に大人へ向かう時期」

二次性徴の成熟


思春期が始まると、男女それぞれに特徴的な体の変化(=二次性徴)が順番に現れます。
 

男子の変化の流れ

男子では、まず精巣が大きくなることから始まり、その後、 陰茎の発育 → 陰毛の出現という順番で進んでいきます。

女子の変化の流れ

女子では、まず乳房の発育から始まり、その後、 陰毛の出現 → 初経(生理)という順番で進みます。
 

思春期の評価方法(Tanner段階)

思春期の進み具合は、James Mourilyan Tannerが提唱したTanner段階で評価します。

  • Tanner1:思春期前(変化なし)
  • Tanner2:思春期の開始
  • Tanner3〜4:発達が進行中
  • Tanner5:成人の成熟状態

 特に重要なのは「Tanner2=思春期開始」です

  • 女子乳房の発育が始まる
  • 男子精巣4mL以上になる

 

評価するポイント

  • 男子:  精巣の大きさ・陰茎の発育・陰毛
  • 女子:  乳房の発育・陰毛

 

男子の精巣サイズの評価

男子では、Orchidometer(精巣容量測定器)を使って精巣の大きさを測定します。
明確な基準はありませんが、一般的には次のように目安を考えます:

  • 4〜8mLTanner2
  • 8〜12mLTanner3
  • 12〜18mLTanner4
  • 18mL以上Tanner5

男子の外性器のTanner段階(精巣容積・外性器:G)


1 (思春期前)

第1期

・年齢目安:~9~10歳
・陰茎・陰嚢・睾丸:未発達
・陰毛:なし

2期(思春期開始)

第2期

・年齢目安:9~11歳
・状態:精巣増大(4mL以上)(or 2.5cm長径約)
・陰茎:ほとんど変化ない
・陰嚢:肥大し始め、 赤味を帯びる
・睾丸:肥大し始める
・陰毛:まばら、長く柔らかい、ややカールする

3

第3期

・年齢目安:11~13歳
・状態:陰茎成長開始
・陰茎:肥大がみられる
・陰嚢::らに大きくなる
・睾丸:さらに大きくなる
・陰毛:色は濃く、硬くなり、 カールする(写真に撮れるようになる)

4

第4期

・年齢目安:13~15歳
・状態:陰茎・陰嚢さらに発達
・陰茎:長く、太くなる。亀頭も肥大する
・陰嚢:さらに大きくなり、色素沈着をみる
・睾丸:さらに大きくなる
・陰毛:成人に近くなるが、まばらで大腿部までは及ばない

5

第5期

・年齢目安:15~18歳
・状態:成人型
・陰茎:成人様にまで成熟
・陰嚢:成人様にまで成熟
・睾丸:成人様にまで成熟
・陰毛:濃く密生する、大腿部まで及ぶまでは及ばない

 
 
※精巣4mLor 長径約2.5cm)が思春期開始の指標
 
「出典:諏訪城三著、「小児の成長障害」、永井書店、1976

女子の乳房のTanner段階(乳房発育:B)


1 (思春期前)

第1期 

・年齢目安:~9~10歳
・状態:思春期前(乳房なし)未発達で乳頭のみ突出

2

第2期

・年齢目安:8~10歳
・状態:乳房がややふくらむ(乳房芽)。乳輪が大きくなる

3

第3期

・年齢目安:10~12歳
・状態:乳房はさらに大きく突出する

4

第4期

・年齢目安:12~14歳
・状態:乳房肥大、乳輪と乳頭は乳房からさらにもり上ってみえる

5

第5期

・年齢目安:14~17歳
・状態:成人型となる。乳輪は後退するため乳頭のみ乳房から突出してみえる

 
 
※初経は多くが Tanner第3〜4期(平均12歳前後)
 
「出典:諏訪城三著、「小児の成長障害」、永井書店、1976

陰毛(男女共通:P)


Tanner  女子  男子 状態
第1期 なし なし • 陰毛はまったく認められない
 第2期  9~11歳  11~13歳 • 陰唇や陰茎の根元に、少数の細くて柔らかい毛が出現
 第3期  11~13歳  13~15歳 • 毛の量が増え、色が濃くなり、縮れ始める
 第4期  13歳~15歳  15~17歳 • 成人に近い性状になるが、範囲は大腿内側までは広がらない
第5期 15歳~ 17歳~ • 成人型の陰毛となり、範囲も完成する

 

  • 男児:精巣容積の増大(4 mL以上)が最も早い思春期徴候で、その後に陰毛が出現します。
  • 女児:乳房発育が最初の徴候であることが多く、その後に陰毛が出現します。

Tanner段階(Tanner stage)とは、思春期の発達の進み具合を客観的に5段階で評価する指標です。
主に第二次性徴(乳房・外性器・陰毛)の発達を見て判定します。

 

定義

思春期の身体的成熟度を5段階(第1期〜第5期)で評価する分類
提唱者:James Mourilyan Tanner(小児内分泌学者)

 

評価する部位(重要)

男女で評価ポイントが異なります。

女子

  • 乳房発育(B:Breast)
  • 陰毛(P:Pubic hair)

男子

  • 外性器(G:Genital)+精巣容積
  • 陰毛(P)

 

■ 各段階のイメージ

Tanner 段階 状態
第1期(Tanner I) 思春期前(変化なし)
第2期(Tanner II) 思春期開始 女子:乳房芽 男子:精巣増大(4mL以上)
第3期(Tanner III) 発育が明らかに進行
第4期(Tanner IV) さらに成熟(成人に近づく)
第5期(Tanner V) 成人型完成

 

■ 臨床での使い方(かなり重要)

① 思春期の異常の評価

  • 思春期早発症
  • 思春期遅発症

② 成長評価

  • 身長スパートのタイミング把握
  • 最終身長の予測

③ ホルモン評価の目安

  • GnRH負荷試験の適応判断 など

 

■ ポイント

  • 年齢ではなく「発達段階」で評価する
  • 同じ年齢でもTanner段階は個人差が大きい

 

一言で

「思春期の進み具合を見える化したもの」

② 思春期のホルモン


思春期の体の変化は、視床下部 下垂体 性腺」という流れ(HPG軸)によってコントロールされています。
 
まず、脳の視床下部からGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)が分泌されます。

この刺激を受けて、下垂体からLH(黄体形成ホルモン)FSH(卵胞刺激ホルモン)が分泌されます。
 
さらに、これらのホルモンが精巣や卵巣に働きかけることで、

  • 男子では「テストステロン」
  • 女子では「エストラジオール」

が分泌され、二次性徴(体の成熟)が進んでいきます。
 
次に重要なのが、ホルモンの「出方」です。
GnRHはずっと出続けているのではなく、一定のリズム(パルス状)で分泌されています。

このリズムは、視床下部にある「パルスジェネレーター」によって作られていると考えられています。
このGnRHのリズムに合わせて、LHFSHも同じように脈打つように分泌(パルス分泌)されます。
 
思春期の進み方によって、このホルモンの出方も変化します。

  • 思春期前:すでにわずかなパルス分泌があり、昼夜差がある
  • 思春期初期:まず夜間にホルモンが増える
  • 思春期中期:昼間も分泌が増えてくる
  • 思春期後期:昼夜ともにしっかりしたパルス分泌になる
男子思春期のホルモン分泌の流れ
男子思春期のホルモン分泌の流れ
女子思春期のホルモン分泌の流れ
女子思春期のホルモン分泌の流れ

男子思春期のホルモン分泌の流れ

男子の思春期、「脳 → 下垂体 → 精巣」というホルモンの連鎖(=視床下部‐下垂体‐性腺系)が起点になります。
 

男子思春期のホルモン分泌の流れ

 

■ 男子思春期のホルモン分泌の流れ

① 視床下部(Hypothalamus)

(刺激)
GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)が分泌される
 

② 下垂体(Pituitary gland)

(指令ホルモン)
LH(黄体形成ホルモン)
FSH(卵胞刺激ホルモン) が分泌される
 

③ 精巣(Testis)

(男性ホルモン産生)
精巣に作用して テストステロンが分泌される
 

④ 全身(第二次性徴)

結果として 第二次性徴(声変わり・陰毛・筋肉増加など)が出現
 

■ 各ホルモンの解説(臨床的に重要ポイントつき)

① GnRH(Gonadotropin-Releasing Hormone):ゴナドトロピン放出ホルモン


  • 分泌部位:視床下部
  • 役割:思春期のスイッチ
  • 特徴:パルス状分泌(これが非常に重要)

  パルスが始まることで思春期がスタート 
     持続投与すると逆に抑制される(治療にも使う)
 

② LH(Luteinizing Hormone):黄体形成ホルモン


  • 分泌部位:下垂体
  • 作用:精巣のライディッヒ細胞を刺激

 テストステロン分泌を促進する主役
 
臨床ポイント

  • 思春期の進行評価で重要
  • 低い → 中枢性低ゴナドトロピン性
  • 高い → 原発性精巣機能障害

 

③ FSH(Follicle-Stimulating Hormone):卵胞刺激ホルモン


  • 分泌部位:下垂体
  • 作用:精巣のセルトリ細胞を刺激

 精子形成(精巣の成熟)に関与
 
臨床ポイント

  • 精巣容量の増大に関係
  • LHよりやや地味だが重要

 

④ テストステロン(Testosterone):男性ホルモン


  • 分泌部位:精巣(ライディッヒ細胞)
  • 役割:男性化を引き起こす中心ホルモン
  • 作用:一部はエストラジオール(E2)に変換され骨成熟を促進し、最終的に骨端線を閉鎖して成長を止める。

 
主な作用

  • 陰茎・精巣の発育
  • 陰毛・腋毛の発生
  • 声変わり(喉頭肥大)
  • 筋肉量増加
  • 成長スパート(GHとの相互作用)

 
臨床ポイント

  • 思春期の「見た目の変化」はほぼこれ
  • 一部はエストラジオール(E2)に変換され骨成熟を促進

 

⑤ 補足:インヒビンB(Inhibin B)


  • 分泌部位:セルトリ細胞
  • 作用FSHを抑制(フィードバック)

  精巣機能のマーカーとして有用(特に小児)
 

⑥ 補足:成長ホルモン(GH)・IGF-1


  • 思春期で増加
  • テストステロンと相乗作用

 成長スパートに必須
 

■ 全体まとめ(超重要ポイント)

  • スタートGnRH(パルス)
  • 指令LH・FSH
  • 実行テストステロン
  • 結果第二次性徴+成長スパート

女子思春期のホルモン分泌の流れ

女子の思春期も基本構造は男子と同じで、「視床下部 → 下垂体 → 卵巣」というホルモンの連鎖(HPO軸)で進行します。
ただし女子ではエストロゲン中心+月経周期の確立が大きな特徴です。
 

女子思春期のホルモン分泌の流れ

 

女子思春期のホルモン分泌の流れ

① 視床下部(Hypothalamus)から

GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン) が分泌(パルス状)
 

② 下垂体(Pituitary gland)が刺激され

LH(黄体形成ホルモン)
FSH(卵胞刺激ホルモン) が分泌
 

③ 卵巣(Ovary)に作用して

エストラジオールE2
プロゲステロンP4)が分泌
 

④ 子宮・乳房・全身(第二次性徴+月経)結果として

乳房発育 → 陰毛 → 初経 → 月経周期確立
 

■ 各ホルモンの解説(臨床ポイント付き)

① GnRH(Gonadotropin-Releasing Hormone):ゴナドトロピン放出ホルモン


  • 分泌部位:視床下部
  • 役割:思春期の開始スイッチ
  • 特徴:パルス状分泌が必須

  夜間から分泌が増えるのが特徴
  パルスが崩れると無月経の原因に
 

② FSH(Follicle-Stimulating Hormone):卵胞刺激ホルモン


  • 分泌部位:下垂体
  • 主な作用:卵胞の発育

 卵巣内で卵胞を成熟させる
 エストロゲン分泌を促す
 
臨床ポイント

  • 初期思春期で上昇しやすい
  • 卵巣機能評価に重要

 

③ LH(Luteinizing Hormone):黄体形成ホルモン


  • 分泌部位:下垂体
  • 主な作用

 排卵誘発(LHサージ)
 黄体形成
 思春期後半で重要性が増す
 
臨床ポイント

  • LH優位になると排卵周期へ移行
  • LH/FSH比は診断に有用(例:PCOS

 

④ エストラジオール(Estradiol:E2)


  • 分泌部位:卵巣(卵胞)
  • 女子思春期の主役ホルモン

 
 主な作用

  • 乳房発育(Thelarche
  • 子宮内膜増殖
  • 脂肪分布(女性らしい体型)
  • 骨成熟(骨端線閉鎖)

 
臨床ポイント

  • 思春期進行の指標
  • 男子より骨成熟への影響が強い

 

⑤ プロゲステロン(Progesterone:P4)


  • 分泌部位:黄体(排卵後)
  • 主な作用:子宮内膜の維持

  排卵が起きて初めてしっかり分泌される
 
臨床ポイント

  • 思春期初期はほとんど分泌されない
  • 初経後しばらくは無排卵周期が多い

 

⑥ インヒビン(Inhibin)


  • 分泌部位:卵巣
  • 作用FSHを抑制(負のフィードバック)

 卵胞発育の調整役
 

⑦ 成長ホルモン(GH)・IGF-1


  • 思春期で増加
  • エストロゲンと相互作用

 成長スパートを引き起こす
 

■ 女子特有の重要ポイント

●月経周期の確立

初経後すぐは

  • 無排卵周期が多い
  • ホルモンはまだ未成熟

数年かけて

  • 規則的な排卵周期へ移行
     

●第二次性徴の順序(重要)

乳房発育Thelarche
  
陰毛発生
  
成長スパート
  
 初経(Menarche)
※初経は「ゴールではなく途中」
 

■ 全体まとめ(男子との違い)

主役ホルモン

 男子:テストステロン
 女子:エストラジオール
ゴール

 男子:男性化
 女子:月経周期の確立

主要ホルモンの略語一覧(内分泌・思春期)

略語
英語 日本語
GnRH Gonadotropin releasing hormone ゴナドトロピン放出ホルモン
LH  luteinizing hormone 黄体形成ホルモン
FSH follicle-stimulating hormone 卵胞刺激ホルモン
E2 estradiol エストラジオール(卵胞ホルモン)
P4 progesterone プロゲステロン(黄体ホルモン) 
PRL prolactin プロラクチン
GH growth hormone 成長ホルモン 
IGF-1 insulin-like growth factor-1 インスリン様成長因子
T testosterone テストステロン
TSH thyroid-stimulating hormone 甲状腺刺激ホルモン
FT4 free thyroxine 遊離サイロキシン
ACTH adrenocorticotropic hormone 副腎皮質刺激ホルモン
Cortisol cortisol コルチゾール

 

GnRH(Gonadotropin releasing hormone):ゴナドトロピン放出ホルモン


脳の「視床下部」から「下垂体」に「性腺(精巣・卵巣)を動かせ!」という指令を出す「性腺刺激ホルモン放出ホルモン」です。思春期をスタートさせる「脳から出る最初の合図(スタートホルモン)」です。

 

LH(luteinizing hormone):黄体形成ホルモン


「排卵のスイッチになるホルモン」で、思春期や生殖に関わる「性腺を最終的に動かすホルモン」です。
GnRH(視床下部)からの指令で、脳の「下垂体」から出ます。

  • 女性(卵巣):排卵を起こす、黄体形成を促す
  • 男性(精巣):ライディッヒ細胞を刺激し、テストステロンを出させる

 

 FSH(follicle-stimulating hormone):卵胞刺激ホルモン


思春期や生殖に関わる 「性腺を育てるホルモン」で、GnRH(視床下部)からの指令で、脳の「下垂体」から出ます。

  • 男子(精巣):精子をつくる細胞(セルトリ細胞)を刺激 → 精子形成をサポート
  • 女子(卵巣):卵胞を育てる  卵子の成熟を促す

 

 E2(estradiol):エストラジオール(卵胞ホルモン) 


女性ホルモンの代表で、 体を“女性らしさと成長を作るホルモン”です。LH・FSHの刺激で「卵巣」から分泌される。

  • 二次性徴(乳房発育、子宮の発達、月経の準備)
  • 体型変化(皮下脂肪の増加、丸みのある体型へ)
  • 骨への作用(超重要)(骨の成長を促進、しかし同時に、 骨端線を閉じる方向に働く)
  • 男性骨成熟や性機能の調整に関与(テストステロンから変換される)

 

P4(progesterone):プロゲステロン(黄体ホルモン) 


黄体ホルモンとも呼ばれる、“妊娠を維持するためのホルモン”です。
主に「卵巣(黄体)」から出る(排卵後に分泌が増える、妊娠すると胎盤からも分泌)

  • 子宮への作用(子宮内膜を厚くする、着床しやすい状態にする 妊娠の準備・維持)
  • 月経周期の調整(排卵後(黄体期)に上昇、妊娠しなければ低下 →月経開始)
  • 体温上昇(基礎体温を上げる(約0.3~0.5℃)

 

PRL(prolactin):プロラクチン 


“母乳を作るホルモン”で、授乳に関わるホルモンで、生殖機能にも影響します。

  • 女性乳汁分泌を促す(出産後、乳腺に働いて母乳を作る)、排卵を抑制する(授乳中に月経が来にくくなるのはこの作用による)
  • 男性明確な役割は少ないですが、高値になると性機能低下(性欲低下・勃起障害など)に関与

 

GH(growth hormone):成長ホルモン


“身長を伸ばす指令を出すホルモン”です。
下垂体から分泌されるホルモンで、身長の伸びや体の成長をコントロールする中心的なホルモンです。

  • 骨の成長を促す
  • 体を大きくする
  • → インスリン様成長因子1 を作らせる

 

IGF-1(insulin-like growth factor-1):インスリン様成長因子 


“身長を実際に伸ばすホルモン”です。
主に肝臓で作られ、成長ホルモンの作用を実際に“体で発揮する役割”を担うホルモンです。中でも臨床で重要なのはインスリン様成長因子1(IGF-1)です。

  • 成長ホルモンの指令で作られる
  • 骨や体を成長させる
  • 身長の伸びに直結

 

T(testosterone):テストステロン 


“男性らしさを作るホルモン”です。
主に精巣から分泌される男性ホルモン(アンドロゲン)の代表で、思春期の発来や男性らしい体の形成に中心的な役割を持ちます。
一部はエストラジオール(E2)に変換され骨成熟を促進し、最終的に骨端線を閉鎖して成長を止める。

  • 筋肉を増やす
  • 声変わり・体毛などの変化
  • 性機能に関与

 

TSH(thyroid-stimulating hormone):甲状腺刺激ホルモン


“甲状腺にホルモンを出せと指令するホルモン”です。
下垂体から分泌され、“甲状腺の働きをコントロールする司令塔のホルモン”です。

  • 脳(下垂体)から出る
  • 甲状腺を刺激する→ 甲状腺ホルモン を分泌させる

 

FT4(free thyroxine):遊離サイロキシン


“体で実際に働いている甲状腺ホルモン”です。
甲状腺から分泌されるホルモンのうち、タンパク質と結合していない“活性型”のサイロキシン(T4)を指します。

  • 代謝を上げる(エネルギーを使う)
  • 体温や心拍、活動性に関与
  • 成長や発達にも重要

 

ACTH(adrenocorticotropic hormone):副腎皮質刺激ホルモン


下垂体から分泌され、副腎に「ストレス対応ホルモン(コルチゾール)を出せ」と指令を出す司令塔のホルモンです。

  • 脳(下垂体)から出る
  • 副腎に指令を出す→ コルチゾール を分泌させる(ストレス対応、血糖維持、抗炎症作用などに関与)

 

Cortisol(cortisol):コルチゾール


“体を非常時モードにして、ストレスから体を守るホルモン”です。
副腎皮質から分泌されるホルモンで、ストレスへの対応や代謝調整に中心的な役割を担います。

  • ストレス時に増える
  • 血糖や血圧を保つ
  • 炎症を抑える

③ 思春期の成熟と成長


思春期は、体が大人へと変化する「二次性徴」が進むと同時に、身長がぐっと伸びる時期(成長スパート)でもあります。
 
この身長の伸びには、成長ホルモンも関わっていますが、実際には、性ホルモン(エストロゲンやテストステロン)の影響が大きいとされています。
そのため、二次性徴の進み具合と身長の伸びは密接に関係しています。

 

女子の思春期の目安(代表的なデータ)

 
思春期の開始(Tanner第2期:乳房のふくらみ)

  • 年齢約9歳9か月(±約1年)
  • 身長:約134cm
  • 体重:約29kg

このデータから、思春期の開始は 7歳半〜11歳後半の範囲が目安とされています
 
身長が最も伸びる時期(ピーク成長)

  • 年齢約10歳10か月
  • 身長:約142cm
  • 体重:約34kg

思春期が始まってから少し遅れて身長の伸びが最大になる

 
初経(生理の開始)

  • 年齢約12歳2か月
  • 身長:約151cm
  • 体重:約41kg

初経成長スパートの後に起こるのが特徴
 

流れで理解する(重要)

 
女子の場合:

  • 乳房発育が始まる(Tanner2
  • 身長が一気に伸びる(ピーク成長)
  • 初経がくる

「二次性徴の開始 成長スパート 初めての月経(初経:女児)」の順番

思春期 図3

男子では、精巣が約4mLに大きくなる(思春期の開始)のは、 平均で11歳6か月ごろ、身長は約145cmが目安です。
その後、身長は急激に伸び、 約13歳で成長のピークを迎え、 年間約10cm伸びることもあります。

 

 女子の成長パターン

女子では、思春期が始まる頃にはすでに身長の伸びが加速しており、 1〜2年で成長のピークに達します。
その後、 ピークを過ぎてから初経(生理)が起こるのが一般的です。

  • 初経後の身長の伸び:約5〜6cm
  • 思春期開始から成人身長まで:約25cm
  • 低身長の場合:約18〜19cm

 

男子の成長パターン

男子では、思春期が始まった時点では、まだ身長の伸びは目立ちません。
思春期開始から約1年半〜2年後長のピークを迎えます。
また、 声変わりは成長ピークを過ぎた後に起こるのが特徴です。

  • 思春期開始から成人身長まで:約30cm
  • 低身長の場合:約25〜26cm

 

男女の違い(重要ポイント)

  • 女子:早く始まり、早くピーク → 初経後はあまり伸びない
  • 男子:遅れて始まり、あとから大きく伸びる

 

注意点

ここまでの内容はあくまで平均的な成長パターンです。
実際には、思春期の開始時期や成長の仕方には個人差が大きいため、一人ひとりの経過を丁寧にみることが重要です。

図4

終わりに


 
思春期は、体が大人へと成熟し、最終的に生殖機能(子どもをつくる力)を持つようになる時期です。同時に、身長の伸びが終わる時期でもあります。身長が止まるのは、骨の端にある「骨端線」が閉じるためですが、 この働きには性ホルモン(エストロゲンやテストステロン)が深く関わっています。
 

重要なポイント

思春期を評価する際には、

  • 二次性徴(体の成熟)
  • 身長の伸び(成長)

この2つをセットで見ることがとても重要です。

思春期は小児から成人への移行の過渡期にあたる時期で、種々の成熟段階を経て身体全体が成人に成熟します。

小槌
思春期メニュー

小槌
思春期・基礎知識