思春期遅発症
思春期遅発症とは
思春期遅発症は、「思春期が通常より遅れて始まる、または進行しない状態」を指します。
二次性徴が年齢相応に出現しない状態
- 男子:14歳を過ぎても精巣の増大(4mL以上)がみられない
- 女子:13歳を過ぎても乳房発育が始まらない
●評価
男子で14歳以上、女子で12歳以上になっても二次性徴がみられない場合は、次の2つを区別する必要があります。
- 思春期遅発症(体質的に遅いタイプ)
- 性腺機能低下症(ホルモン異常)
● 主な原因
大きく3つに分けられます。
① 体質性思春期遅発(もっとも多い)
いわゆる「体質」で、成長や思春期のスタートが遅いタイプです。
最終的には正常に発育することが多いのが特徴です。
- メリット:最終身長は保たれることが多い
- デメリット:周囲との差による心理的ストレス
② 視床下部・下垂体の異常(中枢性)
思春期をスタートさせるホルモン(GnRH)がうまく出ない状態
- 先天性(例:カルマン症候群など)
- 後天性(腫瘍、外傷など)
③ 性腺の異常(原発性)
精巣・卵巣そのものの異常
- 男子:クラインフェルター症候群など
- 女子:ターナー症候群など
● 症状・特徴
思春期遅発症では、低身長を伴うことが多いのが特徴です。
- 身長の伸びがゆっくり(成長スパートが遅れる)
- 二次性徴が出ない/遅い
- 周囲との体格差が目立つ
- 心理的な悩み(コンプレックス)
●診断に重要な検査
LHRHテスト(GnRH負荷試験)が重要です。
検査結果の一般的なパターンは以下の通りです:
- 原発性性腺機能低下症 → ゴナドトロピン:高反応
- 中枢性性腺機能低下症 → ゴナドトロピン:低反応
- 思春期遅発症 → ゴナドトロピン:低反応
● 検査
- 身長・体重の推移(成長曲線)
- 骨年齢(レントゲン)
- 血液検査(LH、FSH、テストステロン/エストロゲンなど)
- 必要に応じてMRI
● 治療
原因によって異なります。
- 体質性:経過観察が基本(必要に応じてホルモン補充)
- 中枢性:GnRHまたはゴナドトロピン治療
- 原発性:性ホルモン補充療法
●鑑別のポイント
注意すべき点として、中枢性性腺機能低下症と思春期遅発症は、検査だけでは区別が難しいことが多いです。
そのため、
- 成長の経過:「遅れているだけ」なのか「病気なのか」の見極めが最重要
- 骨年齢:骨年齢が遅れているかが重要な判断材料
- 家族歴:「体質(正常バリエーション)」か「病的な原因」かを見分けるヒントになる
- 早期評価:早期に評価することで適切な対応が可能
などを含めて、総合的に判断することが重要です。
思春期は小児から成人への移行の過渡期にあたる時期で、種々の成熟段階を経て身体全体が成人に成熟します。
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