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医療技術の進歩の中で、臨床検査の重要性は高くなっている。臨床検査を臨床の場で用いるためには、基準範囲が必要であることはいうまでもないが、小児においては成人と基準範囲が異なる検査が多数ある。検査センターなどから戻ってくる報告書には、成人の基準値が書かれているため、小児の検査値を見たときに、「異常値か!」と思ってしまうことがよくある。
ここでは、特に成人と基準値が異なる臨床検査値を取り上げて、読み方の注意点を述べる。
血算
血算で成人と大きく異なるのは、乳幼児の血小板数である。1歳未満ではほとんど50x104/μlを超しており、4~5歳までは50x104/μlを超すのは珍しくない。
白血球数も、5~6歳までは10,000/μlを超すのは珍しくないので、感染の判定には、白血球の分画や、CRPなどを総合的に判定する必要がある。
小児の赤血球数やHb、Htは、成人より低いので、基準値より低いから貧血と診断する前に、性別・ 年齢別の基準値をみる必要がある。
生化学
ALP(アルカリフォスファターゼ)は成人では肝機能のマーカであるが、小児では主に骨の活性を反映しており、成人より高いのが特徴である。1歳未満では、1000U/lを超えていることが多く、また思春期年齢に上昇して、思春期後半に徐々に低下し、成人のレベルに移行する。
血中無機リンは、成人に比べてかなり高いことが多いので、注意が必要である。その値は、乳児期に高く徐々に低下していく。
クレアチニンは、筋肉量に比例するため、小児においては成人に比べてかなり低い。特に乳児は低値である。値は徐々に高くなっていくが、成人レベルになるのは思春期以後である。
ホルモン
IGF-I(ソマトメジンC)は、成長ホルモン分泌不全性低身長症の補助診断として用いられるが、乳幼児期は低く徐々に上昇して思春期にピークに達し、思春期後半から低下して成人レベルに徐々に移行する。
文献
1.田中敏章,他.潜在基準値抽出法による小児臨床検査基準範囲の設定.日本小児科学会雑誌 2008;112:1117-1132. |
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